1. 【外国人の静岡観光レポート】着物を着て芸者気分に♪ 伊豆長岡見番で芸者さんの稽古を見学
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【外国人の静岡観光レポート】着物を着て芸者気分に♪ 伊豆長岡見番で芸者さんの稽古を見学

良質な温泉が湧く、伊豆長岡温泉。大きな通りを少しそれると、昔ながらの温泉街の風情が残っています。その一角にある伊豆長岡見番で、芸者さんたちの踊りのお稽古を見学した後は、着物の着付け体験で芸者気分を味わいました。

私が取材しました!

尹 燦燦(イン サンサン)さん
中国山東省出身。静岡県立大学国際関係研究科の修士一年生。来日直後は富士宮市に、現在は静岡市在住。ふじの国親善大使。


昔は芸妓学校だった長岡見番で、踊りの稽古を見学

伊豆長岡の温泉街の少し奥まったところにある伊豆長岡見番に到着。玄関には、「公認静岡県芸妓学校」という木製の看板が掲げられていました。気になったので聞いてみたら、昔は芸妓の学校だったとのこと。全国で京都と伊豆長岡にしかなかったそうです。今はもう学校ではありません。日本の昔の建物は古いけれど、きれいでした。板敷きの稽古場は、一番奥にありました。


この日は5人の芸者さんが集まって、三味線と長唄に合わせて踊りの稽古をしているところを見学しました。日本の踊りを見たのは初めて。外国人には、伝統的な作法などは難しくてわからないけれど、とても日本らしくて興味深く見学できました。


三味線を弾いているのは伊豆長岡の芸者さんの中でも、一番キャリアがある人で、95歳だそうです。芸歴は80年ぐらい。高齢だけど、とても元気で、長唄を歌う声にも張りがありました。


「踊りにも季節があるんですよ。今日の長唄は『岸の柳』といって、夏の風景を歌ったものです」と教えてくれました。だから、うちわを持って踊るのだそうです。お稽古は月に6日ぐらいで、他には太鼓など「鳴り物」と呼ばれる楽器の稽古日もあります。稽古がある日には芸者さんが見番に集まります。


稽古場の壁に、芸者さんの名前が書いてある木札が並んでいました。昔は多い時で400人もの芸者さんがいたとのこと。今は17人で、一番若い芸者さんは19歳だそうです。芸者さんたちが所属する会社のようなところは「置屋」といって、現在、伊豆長岡には6軒あります。そして、市内や近隣の旅館、ホテルなどに派遣され、芸を披露してくるそうです。


稽古が終わったところで、芸者さんたちと一緒に記念写真を撮ってもらいました。


着物を着て、ちょっぴり芸者気分を味わいました

稽古を見学した後は、着物を着せてもらいました。浴衣は着たことがあるけれど、着物は初めて。似合うかな。足袋を履くのも今回が初めてで、履き方に悩んでいたら、芸者のむつみさんが履かせてくれて、本当に感動しました。足袋を履いてる日本人の姿は何度か見たことがあったけれど、どんなものかは知りませんでした。自分で履いて、「足袋はこういうものだ」と、初めて理解できました。


私が選んだ着物は、ピンク色で、花をあしらった鼓(つづみ)と呼ばれる楽器が描かれているものです。これを選んだのは、ただ可愛いと思ったから。踊りだけじゃなくて、着物にも季節があって、季節によって、色や柄、着物の生地も違うと教えてもらいました。


いよいよ着付け。初めて本物の着物を着ているので、すごく嬉しかったです。浴衣より着方が難しいのは知っていたけれど、こんなに複雑だとは思いませんでした。一人では着られそうもありません。肌着を着て、長襦袢(ながじゅばん)、着物と重ねて着ます。たくさんの紐で縛るのは、最初は慣れていなかったので、ちょっと苦しく感じました。 最後に帯を締めます。


ちょっと慣れてくると、背筋がぴんと伸びるが感じが心地よくなってきました。むつみさんと一緒に、先ほどの稽古場に立ってみることにしました。丁寧に着物を揃えてもらいながら、いろいろな話を聞きました。

私たちが写真で見たことがある、おしろいはいつ塗るのかと聞いたら、「旅館やホテルに行く時は、おしろいでお化粧をして行きますよ」とのこと。普段の練習の時にはそんなにお化粧はしないそうです。


その後、むつみさんに、扇の持ち方や踊りでの基本の立ち方などを少しだけ教わりました。最初は「持つだけでしょ」と思っていたけれど、実際にやってみると簡単じゃなかった! 手の返し方が難しくて、何回も教えてもらったのに、なかなかうまくできませんでした。踊りの基本の立ち方も、体の重心の置き方も、やはりきちんと練習しないとダメなんですね。


伊豆長岡見番の玄関には、日本的なかわいらしい飾りが。これは、吊るし雛というもの。このような細工ものは日本らしいなと思って、ここで写真を撮りました。このあと、特別に近くの古奈別荘に連れて行ってもらいました。


古奈別荘のお庭は、本当にきれい。日本庭園の構成としては、池を中心にして、土地の起伏を生かすか、築山を築いて、自然石としての庭石や草木を配し、四季折々に観賞できる景色を造るのが一般的です。人工と自然が一つに融合しているところは、私の国、中国も同じです。

木々の緑もみずみずしくて、お庭の中には茅葺きの小さな日本家屋もありました。しばらくここで写真を撮らせてもらいました。古奈別荘はランチバイキングが人気で、いつも予約でいっぱいだそうです。今度はお食事もしてみたいです。


池には錦鯉がいっぱい泳いでいました。のんびり行ったり来たり泳いでいる錦鯉の姿を、素敵な着物を着て見ていると、悩みやストレスなどすべて忘れてしまいます。日本文化に触れる、いい体験ができました。


感想

大学の時、川端康成の「伊豆の踊子」を読んで、初めて芸者を知りました。日本に来てもうすぐ2年になるのに、芸者の姿も見たことがないし、踊りも見たことがない。今回の見学は私にとってすごくいい体験でした。芸者さんたちの日常の生活について話を聞いたり、稽古の様子を見たり、いろいろ勉強になりました。外国人にとって“日本らしい”伝統的芸能を見学できることはとても魅力的です。着物を着る体験でも、最後は脱ぐのがさみしく感じるほどでした。

information
●体験名/伊豆長岡見番 稽古見学と着物体験
●施設名/伊豆長岡見番(伊豆長岡芸能事業協同組合)
●所在地/伊豆の国市長岡1037
●体験の内容/
・芸者さんの踊りや鳴り物の稽古を見学
・着物の着付け体験
●日時等/稽古の見学は、稽古開催日に限る。稽古日時は要問合せ。1名から受付。着物の着付け体験は随時受付
●料金/稽古見学一人500円(税込)、着付け体験一人7,000円(税込)
※着付け体験の後、宿泊先以外の旅館等で写真撮影を希望する場合は、別途料金がかかります。
●予約方法/要予約。電話055-947-1355(問合せ受付時間10:00~15:00、無休)